早稲田あかね開門ー。
フは呟いた。
そして、医学部YouTuberの活動家・初田龍胡を思考停止にすることに成功した。
遡ること、ちょっと前ー。
渋谷ハロウィンの間、内ゲバをしながらも、外山恒一kidsたち不協和音の会および死体派は体制派の外圧に苦しんでいた。
流川「マジで勝てないマジで勝てない!つーか碇っ!!!こんなときに内ゲバをネタ抜きでやるんじゃねーよ!!!」
吉野(コイツ…強すぎる…!)
碇「無職の日常の敵っ!誰でもいい!全員倒すぜぇい!!!」
全員、東京医科歯科だめライフ愛好会もとい初田に苦しんでいた、渋谷ハロウィン、山手線ホーム町。平成を象徴する池袋へはいけない。
流川(くそっ!渋谷ハロウィンで初田を止められるとフさんは言っていたじゃあないか!!!もちろんフさんのいつもの狂言もあっても、カレは真面目だ。一番この外山恒一kidsで一番賢いオレだから分かる。フさんは必ずや右の初田を止められるはずだが…)
吉野「だから言ってんじゃん!流川!フなんて役に立たないって!キュアロラン・バルトの限界集落るかるみ派へ寄生しておいてよかっただろ!」
流川(フさん!ナニをやっているんだ?!稲葉も使わないなんて…)
初田からの駆除される通知攻撃、SNS上からの攻撃や外圧によって外山キッズたちはボロボロになりながら、山手の線のホームにいる良くも悪くも体制派な人間たちを突き落とせなくなっていた。
初田「よし!王手にいくぜぇ!!!」
初田は外山キッズたちと人間たちを足で踏みつぶして、王座の奥に座る謎の怪老・ネオ幕府の相川さんの玉座までたどり着こうとしていた。
流川「やめろおおおおおおおおおお!!!!」
吉野「オレがいけばいいんだろ~…」
こんなときにもマイペースな一番の戦闘狂・吉野だけが走る、走る、走る。流川は心の中で舌打ちした。これじゃあフが言った通りにやっぱり令和的なエートスを醸し出すおバカな吉野がこれから上へいくじゃあないか!そう。反体制とは言っても反体制の中には体制はより強固にあるのだ。仮に相川さんを救わないと救おうと、お調子者の吉野が上へ行くことは確定してしまった事案だった。もっともキュアロを操る手もあるが、お互いに仲が良いわけではないのだ。
流川(それにしても…)
フさんはナニを考えているのだろう?こんなオレたちで初田を止められるわけあるわけない。仮にオレら外山キッズが死んだら左翼の姫・月ノ美兎も駆除されるんだぜ?ぶっちゃけ彼女の未来を人質にフを脅している面はあるっちゃある。あの狡猾なフがここまで杜撰だとは思えなかった。
フ「や!待たせたね」
流川「おせえええええよ!!!!!!!!古田ぁ!あ!あかねにはオレがいるとき来いや!」
しまった…。また年長者にウザ絡みをしてしまった。しかし、今回はフが悪い。遅すぎるのだ。
もはや、相川さんは単なる若者がきたと油断しきっている。誰が見ても、相川潰し、つまり、外山恒一一派の右の心臓の一部を粉砕するには正にチャンスだったのだ。プライドや余裕、情報戦の面から以前余裕ぶっている相川。
フ「や!久しいね。初田」
初田「?!」
怒っている駆除モードの初田は相川ではなく、後ろのフを振り返る。
流川「もうダメやろ!!!」
流川は作戦前にフから特別に作戦の一部を聴いていた。しかし、それは信じられない話だった。
それはみんなが足止めをしている間に、フが一人で油断した初田へ立ち向かうという話だ。いくらフさんでもバカげている。
なぜなら…フの身体はフの身体は…、
振り返った初田はフの身体を見る。
そこにいたのは、黒くて死にそうな女装のぬいぐるみだったのだ。
大丈夫。
え…。流川は驚いた。止められなかった初田が遂に止まったのだ。しかし、それは攻撃に屈した態度ではなくて、驚きの表情。
そして、ニッコリとしたフのアイコンの表情の口元が更に捻じ曲がる。
フ「早稲田あかねー、閉門ー…」
初田「なに?!」
フの一声によって今いっぽスタンド能力によるナイフを刺されそうで少し驚いている様子の相川さんの前で、初田はフリーズし、あかねの弱者たちを象徴するような赤黒い手手の塊が初田を止めた。
フ「流石にウは殺せないよな~…」
初田「偽物…いや本物…?!」
なにがなんだか分からない様子の遠くにいる流川と違い、初田の思考はハッキリだ。2,3年前の青春の記憶。名古屋のともだちだともやウ。散っていった彼ら右翼のその中のウが正に今目の前にいるのだ。
フ「ダメじゃあないか。戦闘中に考え事なんて」
初田「…」
フ「ウだよ。忘れたのかい?悲しいねぇ」
初田「肉体もスタンドもこの目に映る情報はオマエを名古屋のウだと言っている。だけど!オレの魂が!ウじゃないと言っているんだよ!オマエはだれだ?!」
フ「きっしょ…。なんでわかるんだよ…」
フは着ぐるみを半分脱いだ。そこにいたのは、KK,川尻耕作の無表情の顔。古田更一とかつて名乗っていた仲間でありライバルだ。
フ「彼の能力とこのシュチュレーションのアートをやってみたくなっていてね。キミ、たのし荘よろしく彼やともだちだともはちゃんと自分で駆除しなかったろ…。ツメの甘いメンフィスくんと違い、ボクはもっと泳がせて利用する。変なところでキミはメンフィス同様に甘いね。おかげで楽にこのキャラ、スタンドが手に入った。分かっていると思うけど、キミは封印させてもらう。外山界隈はともかくカオスフォレスト界隈の治安が荒れすぎる」
初田「…」
フ「キミ…強すぎるんだよ。私の目的に邪魔なの。ワン・ワールド・オーダー、新しいセカイでまた会おう」
初田「いつまでいいようにやられているんだ?ウ」
フ「はははは!!!」
川尻の首をフの死体派な着ぐるみが掴む。
吉野「おっ!なんか解決したみたいだね♪」
能天気な吉野が自殺しかかっているフを見て言った。
フ「やあ…久しぶり吉野くん。流川くんじゃあなくてキミがボクにまた会うとは皮肉なもんだね」
初田「おいおい二人とも早くオレを早稲田あかねから追い出してくれ。むさくるしいヤツラを見ていられない」
とぼける吉野とシラけるフ。ようやくフの川尻を掴む手を制し、フを着直したフが言った。
フ「そうだね。閉門ー」
たじろく相川を前に、初田はキューブになった。
吉野「お~!フさん、今度建築のイベント行きます?」
フ「暇だったらフ」
こうして初田は封印された。
吉野「フさんっていっつも流川みたいに無能だと思っていましたけど、意外と使えますね」
フ「ああ。この時のタイミングを待っていた。早稲田あかねという太古からの右翼封印装置へ行くべきはボクじゃあなくて、初田くんだったのだ。だからこそ、ボクは流川や元カノのあかねへの誘いをあえて断り、非頭脳派の吉野くん…、キミがいる、初田くんがもっとも油断するときを待っていた…」
吉野「へぇ~。まあどうでもいいや~。これでオレたち死体派はフさんのおかげで駆除されずに済んだな…。へへ…、それより相川さん~ファシズムの本を読んだんですけど…」
日常に戻ったあかねに次第に明るさが戻るかと思った刹那ー…、
ドンッ!
封印されたはずのキューブが地面に落ちる。
フ「なんてヤツっ!!!」
咄嗟に焦ったフは着ぐるみを脱ぎ、川尻として初田を攻撃し、相川さんに怒られる失態をした。軽いヤケドを覆ったフ、いや川尻。
流石に途方に暮れるあかねメンバー。
初田「ミスったなぁ~。流石…川尻…いや古田さんだ。楽にはミズサー駆除のルートは無理みたいだ。てかこの箱の中…ベツに戦闘が許されていないだけで、楽しく生活はできるみたいだし…。まあ古田さんに少し干されちゃったね…。まあもとこ&稲葉を駆除したし…万事は他のみんなに任せますか♪」
稲葉「初田さんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん」
流川「な、なんだ…」
遅れてやってきた流川も聞こえたみたいだ。発狂する稲葉の悲鳴があかねに響く。驚く一同。
フ「やられフね…」
流川「ど…どういうことだ?フさん」
フ「初田フんを封印したことが全世界に遂にバレた。どうやらあかねのどこかに盗聴器をつけられていたみたいフ…」
フは怖い表情でとある女性のことを思い出す。やられた…。クチでは今あかねと言ったがどうやらオレの服につけられていたことをフは一人で確信していた。
流川「じゃ、じゃあ…稲葉はこっちに攻めてくるってことっすか?彼は本来こっちの味方のはずじゃあ…」
フ「ああ…。しかし、彼はメンヘラで天邪鬼な初田塾生だからね…。彼は初田くんが好きがゆえに嫌いなファンチさ。こういうことをすると、むしろ初田側にまた寝返るかもしれない」
吉野「め、めんどくせ~!オレがぼこすわ。フさんは流川派だろ?オレらに任せといてよ。あ!フさん、稲葉はオレらがもんどくわ~」
フ「ああ…。彼はあくまでも初田封印が失敗した時のプランCにすぎない。オレはしばらく初田くんが箱から出ないよう監視役に回フ…。相川さんお次にまた関係者を駆除したら面倒フ…」
吉野「ようし~!稲葉駆除!最高!オレら死体派都会組の勝ちだぜ!あんがと!フさん♪」
流川「あ、先走るな~!!!待て!吉野!オレがリーダーだぞ!!!」
愉快に稲葉狩りに走る一応は正統派の外山派たち。相川さんも今日はお開きだぜと言い、たばこを吸いながら、あかねから全員出ていく。
一人、暗闇の中であかねに引きこもるフ。
フ「外山派と違って相変わらず陰気だな」
そこにやってきたのは、ウの信者二人。
ウの信者二人「返せ。ウさんの歴史を。返せ」
フ「返すわけがないだろう。次、スタンド使いと約束するときは、しっかりと契約書を見るんだな。消えろ。それともウのアートに消されてほしいか?」
ウの信者二人「後悔するぞ…。フ…いや古田更一と呼ばれていた男…」
ロープ姿のガリガリな二人はあかねという魔方陣をあとにした。
またひとりぼっちになったフは、しかし嗤った。
フ「後悔か…。どんな味だったかな?」